以前の楷書の臨書の記事で、『書道講座』を参照したと書きました。
この私の「座右の本」を、ご紹介します。
『書道講座』は二玄社から、半世紀近く前に出版されました。
書体ごとに巻が分けられ、全7巻のシリーズ構成です。
二玄社HP内の『書道講座』のページはこちら。
入門書としては大ボリュームで、高度な内容に踏み込むため、強くお勧めできませんが、公募展に出す人や書道を専攻する学生さん、学術的な文章に抵抗がない人には、ぜひ手に取ってもらいたいと思います。
編者は、慶大教授の西川寧(にしかわ・やすし)先生。
書の分野で初めて文化勲章を受章した、まさに分野の泰斗です。
内容は、大家たちの筆づかい、古典とその臨書の例、作例、歴史など幅広く、解説は時に脱線して、先生方の生の声、叱咤激励、息遣いを感じられます。
令和のいま、書の入門書をつくるとしたら、もっとスマートで、情報が整理され、とっつきやすいものになるでしょう。
『書道講座』にあるのは「昭和の熱」です。
日本がまだ若かった時代に、書を盛り上げようとしていた先人たちの情熱が感じられ、勉強になるとともに励まされます。
また別の記事で、この本の見所を紹介したいと思います。