昨日は師匠の教室で、公募展の作品を指導いただきました。
同門の方々の作品も熱のこもったもので、特に後輩の作品の強い筆勢に、鼓舞されました。
締め切りまであと半月。
体調を整えるため、今朝は別所沼をランニングしました。
暑い中を走るのも、気持ちいいですね!
皆さんも熱中症にはご注意ください。
さて、今朝の読売新聞(文化面)に、「書」というコラムが載っていました。
この欄は、書道界を深く取材されている菅原教夫編集委員が担当しています。
業界の動静が活写されていて、私も必ず読む欄です。
今回はコロナ禍の下での書家の活動がテーマでした。
疫病退散を祈る揮毫や写経などの活動が紹介されています。
私が特に気になったのは、真神巍堂先生のお話です。
自粛により、展覧会に出さないものを書く時間が生まれ、「飾らない素っ裸の本来の自分」が書に表れるようになった、というもの。
この気持ちは、書家にとって共感しやすいものだと思います。
公募展の作品には、「競争」という側面があります。
自分の技術をわかりやすく示す必要があり、作品は自然と技巧的、優等生的になります。
(古典作品がそうであるような)自然な個性の発露からは離れていきます。
私は自分の書を鍛えたいと思って公募展に出し始めましたが、3年くらいして、これだけでは…と思って、グループ展の交叉点を始めました。
競わない作品、自分が書きたいだけの作品も書く方が健全だ、という思いです。
書や芸術はそもそも競争ではない、というのも、ひとつの見方です。
「飾らない素っ裸の本来の自分」を書に出すというのは、技術を高める楽しさとはまた別の、本質的な書の楽しさのひとつだと思います。